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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2000年2月のニュース一覧
▼[2000.02.28]Xという名の意志
▼[2000.02.27]にわか悪いやつたちのうごめく街角
▼[2000.02.25]マギ立法府
▼[2000.02.24]掌の上,その思想
▼[2000.02.23]壁の中の事情
▼[2000.02.22]「好」を伝えるには
▼[2000.02.20]肉体至上主義かワイヤードか
▼[2000.02.19]新年の祝辞とともに
▼[2000.02.18]コーンシリアル? シリアルフレーク?
▼[2000.02.17]明日が続く
▼[2000.02.15]身捨つるほどの祖国は,あらず
▼[2000.02.14]存在自体がバグ
▼[2000.02.13]嫌な雰囲気
▼[2000.02.12]壊れた蜘蛛の巣
▼[2000.02.11]死に至る病,そして_2
▼[2000.02.10]死に至る病,そして
▼[2000.02.09]研究所の扉の外
▼[2000.02.08]ロボット様様〜
▼[2000.02.06]プレステ2不要論最終章
▼[2000.02.05]大勢の利用者,大勢の監視者
▼[2000.02.04]クッキーモンスター君にさよなら
▼[2000.02.03]シンデレラ・ラムズ・ストーリーの陰で
▼[2000.02.02]新しい,社会的な繋がるフィールド
▼[2000.02.01]東京への忘れ物は?

■2000年3月のニュース一覧
■2000年1月のニュース一覧

 
[2000.02.28]
  Xという名の意志


 ▼発表近い? MS次世代ゲーム機。「xbox.com」ドメインも取得完了(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/26/b_0225_01.html


 ただのゲーム機を作っても,勝てない。WebTVを作っても,勝てない。もちろん,PCを作っても,勝てない。いかに,PCを持たない人に手を出させる,インターネットデバイスを作るか。MSの,本当の力の見せ所,となるだろう。

 マイクロソフト社は,「xbox.com」というドメインを取得した。これにより,3月10日に開かれるゲーム開発者フォーラムでのビル・ゲイツ会長の基調講演で,秘密に包まれたゲーム機「Xボックス」を発表する準備が整ったようだ。Xボックスはいまだ正式に発表されていないが,テレビに接続でき,DVDを見ることができ,ウインドウズ互換のゲームをすることができることが期待されている。また非公開のデモでは,簡単にチャットやオンラインゲームなどのインターネット機能がサポートされることが出ていた。

 噂をしようにもあまりにもぽろぽろと情報が流れていたXボックス(過去記事)。その発表も近いようで,いろいろと記事が出ている(CNET Japanの記事)。だが,もし3月10日に発表があるとすると,プレステ2の騒ぎが十分に伝わっているだろうから,ちょっとやりにくいような気もする。本当に「ゲーム機」としての発表であれば,日が悪すぎる。

 英文記事中にもあるが,米国でもまだ半分の家庭がPCを持っていないという。すべての人にインターネットデバイスを売ることは,次なる儲けにも繋がるのだから,MSは,そんなPCを絶対買わない人たちのために,PCという概念を捨てて,なにかを考えなくてはいけない。ウェブTVもある,ポケットPCも出る,だが,まだ足りない。それを埋める存在としての,Xボックス…。その明確な意志を形にできれば,プレステ2にも,決して負けない。楽しみに待ちたい。



 
[2000.02.27]
  にわか悪いやつたちのうごめく街角


 ▼Yahoo!オークションで詐欺を働いた男が、被害者達と警察に出頭するまで(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0224/sagi.htm


 ワイヤードという街角では,違う人格を形成できる。胸の奥で思い描いていた人格で,行動することもできる。悪いやつになりたいと思うのも,まぁ,ありだ。だが,本物の悪いやつになるには,経験と修業も必要。

 ヤフー・オークションを悪用し,落札者から代金を騙し取った男が詐欺容疑で逮捕された。今回の事件は,被害者が住所を調べ,自宅に行き,話し合いの上で警察に連行したという点が注目された。被害者はいずれもインターネット上で詐欺が起きていることを知っていたが,ある程度の安全に慣れてしまったようだ。

 記事を読んでいちばん不思議に思うのは警察の対応。被害届を出そうとしても捜査できないと言い,加害者の自宅に行くというと行かないで欲しいという。被害者のページでも,警察がいいかげん,という一文がある。警察の方には,なぜ被害者が加害者と対峙するような状況を作ってしまったのか聞いたみたいものだが。

 いいにつけ,悪きにつけ,ヤフー・オークションは面白い(以下,やじ馬的で,被害者の方には申し訳ないが…)。2chのヤフー掲示板もネタが尽きない。ほんで悪いやつがうじゃうじゃいて,糾弾するページもある(LinkLink)。そこから悪いやつらの評価や手口を目にするのは生々しくて楽しい(今回逮捕された人の評価も残っている)。悪いやつの割合は,ワイヤードもリアルワールドも変わらないだろう。ただ,ワイヤードには「にわか悪いやつ」が多い。だから詐欺の手口も幼稚だ。詐欺師は騙せる相手を見極められてこそ,だ。手当たり次第にやっているYahoo!オークションの詐欺師たちは,だからいい笑いものだ。



 
[2000.02.25]
  マギ立法府


 ▼クリック2回で政治に参加(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3765.html


 論理よりも感情,理知よりも利益,で動いている現代政治。この構造を打ち破るのも,特定個人の強欲によって阻害される。もし壊せるとしたら,どんなに合理的なシステムを築けるか?

 新しい政治サイト,グラスルーツ・コムが22日,立ち上げられた。このサイトは,政治に関するさまざまな情報を提供し,その情報を基に,手紙を送ったり,グループを作ったり,嘆願書に署名したりといった行動を「Take Action!」ボタンから参加できる。このようなサイトは,非営利として行われてきたが,コンテンツの制作には費用がかかり,グラスルーツ・コムは営利サイトとして運営されている。

 そういえば,マギシステムは政治もこなすんだよな,と思い出していた。3体のスーパーコンピューター,バルサザール,メルキオーレ,カスパー。それぞれがそれぞれのアルゴリズムで思考し,3者の多数決で決定していく。何百人もの政治家が集まっても,大したことをやってないのはすぐにわかる現代政治だから,マギの方がよっぽど合理的か? ジレンマを起こすこともあるし。

 グラスツール・コムにアクセスしない人は,きっと選挙にも行かないだろう。結局はある一部の人たちで政治は動いていく。一部であるなら余計な手間とお金を減らすために,ジレンマの余地を残した3つのコンピュータによる政治というのは,至極の存在,のような気もする。そのコンピューターへの参考材料として,グラスルーツ・コムの「Take Action!」ボタンがあればいい。そんな政治,いいと思いませんか,政治家の皆さん?(まっ,金儲けが目的なら話は別でしょうが…)。



 
[2000.02.24]
  掌の上,その思想


 ▼パームが初のカラーモデルを発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000223-1.html


 4年ほどもかけてやっとカラーに到達したパーム。そこまでかかったのも,その思想ゆえ。その思想が真実であったことが,今の現実を作っている。

 パーム・コンピューティング社は22日,カラーディスプレーを搭載したパーム3cを発表した。パーム3cは,バッテリーで最大2週間動作する。アナリストたちは,バッテリー時間への不安や,カラー対応のアプリケーションがユーザーを惹きつけるか危惧しているが,マイクロソフト社のポケットPCが発売される夏からが競走の本番となろう。

 パームの,独走に近い市場シェアにはいくつかの要因があると思われる。なによりも使いやすいインターフェイスもあるだろう。そして,決してミニPCではないし,PCになる必要もないという確たる思想が感じられる。ポケットPCがウインドウズCEと比べて,どのような路線変更を行なうのか知らないが,ポケット「PC」といっている時点で,ユーザーの意識との間に,差異を感じなくもない。

 手のひらにPCは乗らない。また,乗せる必要もない。役割の違いは設計の違いになる。PCとはまったく違うメモリの運用や,ファイルという存在を考えずにデータを使いやすく取り込む形態は,PCになることを考えていない証し。デスクトップ機とデスクトップOSのミニチュア版よりも,使いやすいものがある,ということをきちんと把握していた。その思想の戦いは,これからも続く。



 
[2000.02.23]
  壁の中の事情


 ▼セキュリティ対策の死角(Nikkei BizIT)
  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/1h/20000221.html


 どんなに高い壁を築いても,壁の中にいる者は宝にすぐ手が届く。外からのクラックにがたがた言ってる人たちは,きっとダメな人の集まりだからそんなこと考えてもないよ,きっとね。さて,ソーシャルに行きましょか;-P。

 一般企業にとって,社外からの不正アクセス同様,あるいはそれ以上に注意しなければいけないのが,社内からの不正アクセスだ。去年は,社内の顧客情報を社員や外注業者が持ち出す大規模な情報漏洩事件が発覚した。

 外の敵には目を光らせていて,内の敵には目もくれていない,という状況は多いだろう。まぁ情報というものの価値に対する意識の低い社会では,このような事態も起こりがち。たとえば,外の人間の出入りの多い会社で,席を外すときにスクリーンセーバーのパスワードロックを利用するだけでも,意識は全然違う。きっとそのパソコンにはファイルサーバーへのショートカットがデスクトップにあったりするのだから,サーバーの中身をひょいとごみ箱に投げ込まれることは簡単なのだ。

 たとえば,ウインドウズならネットワークパスワードもきちんと設定する。定期的に変更する。ウェブのFTPパスワードなども含めて,付箋や目の付く場所に置いておくことなど,論外。簡単なこと,というよりもそれ以前のお話だが,あなたの会社,ちゃんとやってますか? やってないでしょ(^_^;)。きっと、クラックされた公官庁もおんなじですよ。いや,もっとひどいかな;-P。



 
[2000.02.22]
  「好」を伝えるには


 ▼FEP a la carte(CountMac)
  http://www.pascal.co.jp/countmac/kgkl2000/cm20000203.html


 文章入力は,意思伝達の最大の手段。だが,「愛」という文字も「好」という文字もキーボードにはありゃしない。僕は「好」って伝えたいんだよ。

 現在のFEPは完璧ではない。文章を本当に解析しているわけではないので変換ミスからは逃れられない。だが,ATOK13WXGの手書き文字認識は,それから抜け出せそうな兆候がある。その認識精度はかなり高い。いずれは音声入力が文章入力の主流となるだろうが,キーボード入力に抵抗のある高齢者のパソコン利用などを考えても,注目に値する。

 マックではIM,ウインドウズではIMEと呼ばれるフロント・エンド・プロセッサー。マックでは上記の2つに,EGBRIDGEと,あとはOS標準のことえりがある。FEPは,それぞれクセがあるから使う人の嗜好も分かれやすい。ちなみに私はEGBRIDGEをメインに使っている。同音異義語の各意味を表示したり,類義語変換も使ってて楽しい。変換の精度もまぁ程好い。だが…,そう,手書き文字認識は,やっぱりちょっと魅かれるなぁ。

 記事にある通り,タブレットに書いた文字をそのままテキスト化してくれれば,こんな楽なことはない。より優しい,インターフェイスとなってくれるだろう。ワークパッドの普及は多分に手書き入力によるところは大きいと思う。まっ,ローマ字入力なのは発展途上としても。キーボードに漂うフェティシズム的な印象は,これがまったく扱いづらい,ボンテージ服のような拘束となっていることの一側面である。もうちょっと先には,それから解き放たれた新しい文章入力システムが,あるだろう。



 
[2000.02.20]
  肉体至上主義かワイヤードか


 ▼Study Finds Heavy Internet Users Are Isolated(washingtonpost.com)【英語】
  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A55210-2000Feb15.html


 胸に手を当てると,聞こえてくる,鼓動の音。ドキドキ,ドキドキ…。でも,その音がなければ人は感情を交差させることができないの? 絆は,得られないの?

 スタンフォード大学の研究者がまとめた調査結果によると,インターネットを週に5時間以上使っている人たちの1/4が,友人や家庭と過ごす時間が少ないと,また,10%の人が社会的な活動が減少していると云っている。オフィスでインターネットに接続している人は,仕事の時間に個人的なメールのやり取りや,好きなウェブサイトをまわるなどし,結果的に家庭にいる時間が少なくなり,ときに不快な感情を生み出すほどの孤独になりかねない。

 マーキュリーニューズのコラムニストは,この研究に異議を唱えている。この調査をまとめた研究者は他の学術的な,そして商業的な情報源による調査を軽蔑している傾向がある。研究者は,電話をする回数が少なくなったからといって代わりに電子メールを使っているのでは? という問いに,その通り,だが会社で書くメールで家族との絆を得ることはできない,と答えた。そんな個人的な観念に捕らわれている。また,この調査を担当したインターネットベースの調査会社は,調査応答者に,調査に応じる引き換えに,ネットアクセスとウェブTVのセットをただで与えている。そのような調査応答者と,電話で応じたネットを利用しない人たちにも疑問が生じる。とのこと。

 たとえば直接合いに行くとか,たとえば相手の口から話を聞き,自分で話すとか,たとえば触れ合うとか…,肉体を介することで,コミュニケーションが成立する,という考えがある。それを否定する気はないが,人は,テキストの端に感情を感じたり,目にすることはない行動に心情を認知することもできる。肉体至上主義を壊滅させる事象は,ワイヤードにはいくつでもある,よね。否,それで成り立っているのが,ワイヤードなんだな。



 
[2000.02.19]
  新年の祝辞とともに


 ▼ついに登場! Windows 2000(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/special_win2000.html


 新しいミレニアムの,MSの命運はこの中に詰まっている。祝辞とともに,未来がどうなるのかを考えたい。このソフトの中に,それが,ある。

 マイクロソフト社の新しいOS,ウインドウズ2000が18日,世界同時発売された。時差の関係で一番早く発売になる日本では,秋葉原でカウントダウンイベントが行われ,大勢のユーザーが集まった。

 とりあえずおめでたい新OSの発売。ということで,笑える記事一覧〜〜〜(^_^)。のっけから大笑いなのだが,ラオックスのカウントダウンイベントにMSの成毛社長登場,だが報道陣にラオックスの社長と間違えられる(ZDNet News)。 対抗するリナックス陣営のトップ2人が,ばったり出くわしてミニイベントを開催(PC WEEK ONLINE)。だが,こんだけ煽っといて,あくまでウイン2Kはコンシューマー向けじゃないと云うために記者会見(Nikkei BizTech News!)。ウイン2Kは,現代版禁酒法運動のような楽しみのないOS,隠し機能やイースターエッグが一掃されている(WIRED NEWS)。発売から1日経っていないのに,MSのサポートページはもうウイン2Kのバグ報告で爆発状態(Nikkei BizTech News!)。インストールを指南しようにも,まずインストールすべきか否かから指南(MYCOM PCWEB)。

 話題に事欠かない,どころか話題が豊富豊富。なんにつけ,業界自体が盛り上がるのはよいことだと思う。MSにとっても,これでやっと2000年の幕開けか。明けたるミレニアムに,送られてきた年賀状。これこそ,数年後に,MSがどうなっているかの,証となろう。さあこの騒ぎ,どう読む? どう見る?



 
[2000.02.18]
  コーンシリアル? シリアルフレーク?


 ▼マイクロソフト社の新コピー防止策は超強力(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3739.html


 シリアルナンバーだけでは不安なので,オンラインでもうひとつのシリアルを送ることにした。だが,オンラインしてくる人が誰なのか不安なので,オンライン上で認識するためのシリアルを添付することにした。だが,そのシリアルが本人のものか不安なので,それに合わせるシリアルをオンラインで送ることにした。だがそのオンラインに接続してくる人が認識できないので,そのためのシリアルにを…。

 発売をひかえるマイクロソフト社の「オフィス2000」は,これまででもっとも強力な方法で違法コピーに対抗することになる。まず,レーベル面の全面ホログラム。次に,パソコンに貼り付けてユーザーの正当性を保証する登録タグ。そして,インターネットなどでマイクロソフト社と連絡をとり,ソフト付属のものに対応するもうひとつの登録キーを手に入れないと,ソフトを50回起動したあと,動かなくなる強制登録だ。

 にしても,MSには国際海賊版防止部門なんてのもあるんですか,大変な企業ですな。最近の流行りはこんなオンライン登録や,オンラインによる登録情報のチェック。ちなみに私は最近ダイヤモンド社のリオ500を購入したのだが,付属ソフトであるサウンドジャムMPは,はなからシリアルなんて付いてこなかった。というのも機能制限のキーを手に入れるには,リオを接続して(これがあって無料で登録できる),ソフトを立ち上げ,ネットに接続する。名前とメールアドレスを入力・送信すると,メールでシリアルが送られてくる。

 その後,アップデートのページに行こうとするとなにやら英字の羅列らしきものを送っている。ユーザーを識別する番号になっているのかな? まぁこの流行りは今後も続きそうだ。あるBBSで,なにげなく拾ったシリアルで登録情報を送っちゃった…なんて話があった。「このシリアルは違法でこのまま使い続ければ法的手段に出る」というメールが返ってくるという話もあるようで…。ソフトウェアクラックさえされなきゃ;-P,シリアルもなにげに強いですな。



 
[2000.02.17]
  明日が続く


 ▼「我々の仕事には終わりがない」Jobs氏,記者を集めてQ&Aセッション(NIKKEIMAC.COM)
  http://www25.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/mac/hotnews/94452


 明日やることがあるか? 今日やれなかったことはあるか? ある。必ずある。人間にも,コンピューターにも,最高と呼べるものは,常に明日の先にある。そして,明日の先にしか,ない。

 基調講演が終了した午後2時から,アップル社CEO,スティーブ・ジョブズは記者団を集めて,Q&Aセッションを行なった。「今後も4つの製品セグメントに集中していく。PDAは考えていない」「アップルは『最も普及しているインターネット・デバイス』を作る会社になっている」と発言。最後に「アップルとジョブズ氏の最終的なゴールは?」と問われ,「我々の目的は常に『世界最高のコンピュータ』を作ること。テクノロジーは進化しており,終わりのない仕事だ。つまり,ゴールはなく,アップルの革新にも終わりはない」と答えた。

 基調講演に行かれた皆さま,お疲れ様です。新筐体パワーブック(Pismo)の発表はなかったけど,グラファイトカラーiBook(画像,灰色はやはりハマグリ…(^_^;)はあったし,ビアボイス日本語版もあったし,まぁまぁの収穫だったのではないかと思う。いちばんの大きな発表は,マックOS Xにヒラギノ書体が標準で乗ることと感じたが(NIKKEIMAC.COMの記事,フォントメーカー各社の今後の対応が気になる…),その後の記者会見でのジョブズの言葉の方が重たい。

 アップルにとって,いや,他のメーカーも含めて,コンピューターを作ることは競走ではない。もちろん,競走によってもたらされるものもあるが,最高のものを作る,という一点を考えると,競走は存在しない。最高のものを作れば,それに勝る相手はいないのだ。そして,いつも最高のものというものは,手にしがたい。だから,明日が続く,常に。明日の,革命のために。(マックワールドエキスポデジカメフォト



 
[2000.02.15]
  身捨つるほどの祖国は,あらず


 ▼不正アクセス禁止法、13日施行(Mainichi INTERACTIVE)
  http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200002/10-3.html


 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国は,あらず。

 コンピューターネットワークへのハッキングを取り締まる「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)が13日,施行される。これまでは他人のパスワードやIDを悪用してネットワークに侵入しても,プログラム改竄やデータの盗み出しなど具体的な損害を与えない限り,犯罪とはならなかったが,今後は単純な不正アクセス行為に対しても,1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。

 2/13の続き,となるのだろう。13日付けで不正アクセス禁止法が施行された。この法律により,他人のIDやパスワードなどを悪用した侵入行為を取り締まることができる。とまぁこれだけだと大したことないということになるのだが,そうはいかない。他人のID,パスワードを取得する行為も犯罪となるようだ(不正利用をできる状態にした,ということなんでしょう)。実際に,警視庁の解説資料では,セキュリティーホールを攻撃する(ポートスキャンでしょうな)を犯罪と規定している。となると,ポートスキャンのソフトを置いておくことも,非常に危ういと予想される。(参考として,不正アクセス行為の禁止等に関する法律の概要(警視庁))

 まったく,くだらない。世の中のネットワーク管理者は,この法律のおかげでサーバーソフトのアップデートもしなくていい(よかったねぇ…,まっ,毎回パッチをきちんと当てている人なんてたかが知れてるだろうけど…)。穴だらけのサーバーでも,入った,または入る術を知っているだけで手錠が飛んでくる。パスワードを盗まれるのも,どんな状態であっても(モニタの横の付箋に書いてあっても,ね),盗んだものの罪となり,盗まれた側に罪はない…となる。ワイヤードに棲むものは持っていなくてはいけない,個々の「責任」と「自覚」が,まったく認識されていない条文だ。ワイヤードには,ワイヤードの法律がある。リアルの国家の不甲斐なさと恥さらしを,ワイヤードに持ち込むな。



 
[2000.02.14]
  存在自体がバグ


 ▼Windows 2000に「6万3000の問題」とMS社内メモ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/12/b_0211_23.html


 「リアルの中で,あたしの存在はバグみたいなものだったの。同じように,ワイヤードに私が存在することも,バグなのかもしれない。あたしが摘み取られれば,あたしは,いなくなる。それも,バグフィックス…」。

 マイクロソフト社の社内メモによると,米国で17日に正式出荷されるウインドウズ2000には,「6万3000件もの潜在的な既知の問題」があり,うち2万8000件が真の問題である可能性があるとしている。メモには「ウインドウズ2000の次のリリースの我々の目標は,バグをゼロにすること」と続けられている。

 日本では18日に発売されるウインドウズ2000。秋葉原などのショップでは,すでに展示用箱を積み上げて,18日午前0時からのカウントダウン販売の告知が行われている。よくよく考えるとコンシューマー向けではないはずなので,いいのかなぁ〜とも思ってしまうが,まぁいいんでしょう(^_^;)。そこに降って沸いたMS社内メモ。かなりユーザーの不安を煽るような内容で,元記事の英文記事内で行われている,ウインドウズ2000を買いますか? という投票では,8割近い人が「買わない」としている。6月予定のサービスパック(メモ中の「次のリリース」のこと?)を待つという人が多いだろう(CNET Japanの記事)。

 もちろん,複雑怪奇に大きく膨れ上がっているOSにバグがないわけがない。存在自体がバグ,という見方もできるほどの中で,整合性をとって,如何に致命的なバグを防ぐのか,が開発チームの最後の使命となる。でも,それが公然と表に出てきちゃうところがMSの,笑うに笑えない体質なんだなぁ(^_^;)。遅々として進まないバックオフィスとのからみで,ビジネスユーザーも不安そうだし,ウインドウズ98ソフトが動くかどうかわからなくてコンシューマーユーザーも不安そうだし。このメモの露出が購買意欲に強く影響するか,どうか。



 
[2000.02.13]
  嫌な雰囲気


 ▼no sources(no sources)
  no sources


 個人的な接触を持たせてもらうことはなかったが,多くのことを学ばせていただいたことに感謝は尽きない。今は,この嫌な雰囲気が,気のせいであることを願いたいが。

 no sources。

 数日前から,マック系(とは限らないかもしれないが)のアンダーグラウンド・サイトが,閉鎖や,コンテンツの削除などを行なっている(サイト名もURLも出さないが,わかる人にはわかるだろう)。それも,かなり大御所的な,アングラでは名前の通っている人たちのサイト,でだ。どこも特に明確な理由を表していないので,なんとも云えないが,ただ単に偶然で,同時期に情報の開示をやめるのは考えられない。某BBSの閉鎖には,厨房が集まりすぎて嫌になったのだろう,という意見もあったが,他のページが無くなる理由にはならないだろう。だから,なにか,裏を勘ぐりたくなる気もする。官公庁へのクラッキングが問題視されている時期でもあり…。

 私は特にアンダーグラウンドの情報に詳しいわけでもなく,それに興味を持っているわけでもないが,今回閉鎖などを行なっているサイトには,多くのことを学ばせていただいた。セキュリティーを知る者は,ハッキングを知らなくてはいけない。問題を理解し,問題を把握し,そうしてこそ,見えてくることがある。なにが動いているのか知らないが,この嫌な雰囲気が,どうも気になる。



 
[2000.02.12]
  壊れた蜘蛛の巣


 ▼「不適切」サイトへのアクセス遮断 IIJが専用線接続に付加サービス(日経コミュニケーション)
  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc1320.html


 蜘蛛は,蜘蛛の巣をたどり,どこへでも行ける。蜘蛛の巣は,どこへでも行ける最適の形状をしている。蜘蛛の巣は一本でも断ち切ると,全体が歪み,弛み,機能しなくなる。それは,ワイヤードとて,同じこと。

 インターネットイニシアティブ社(IIJ)は7日,同社のインターネット専用線IP接続ユーザーを対象に,「ポルノ」サイトへのアクセスを遮断する「IIJ ウェブアクセス管理サービス」を提供すると発表した。接続を禁止するサイトは,IIJの管理サーバーに登録されており,現在,83万箇所(日本語サイトは14万箇所)が登録されている。

 「接続を禁止するサイトは,あらかじめIIJのアクセス管理用サーバーに登録する」ってことは,手動で登録しているのかな? 毎日毎日,毎分毎分増え続けているアダルトサイトを全部登録するということはできるのだろうか? 仕組みがよくわからないので何とも云えないのだが,ご苦労なことで,と云う感じですな(^_^)。フェティシズムのページなんか,見ようによってはアダルト? と思えるところもあったり,基準も難しいし…。とりあえず,アダルト系のメルマガかなんかを購読してチェックするのかな?(登録する人は1日アダルトサイトを見るので終わりそうですな,うらやましいお仕事(^_^;))。

 ワイヤードの基本理念は,どこへでも行ける,なんにでもなれる,どんなことでもできる,ということだ。ウェブという言葉が,蜘蛛の巣状に如何様にも繋がり続けていることを表しているように,いたる所へのアクセスのうち,ひとつでも遮断するものがあれば,それはすでにウェブとは云わない。そんなことを平気でできるプロバイダーは,自ら自分たちの仕事を摘み取っているに過ぎない。愚か,という言葉はこういうときに使う。



 
[2000.02.11]
  死に至る病,そして_2


 ▼攻撃3日目,被害サイトさらに拡大―FBIが本格捜査を開始(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/10/fbi.html


 繋がることを止めることで,病から開放される。だが,人,にしても,ワイヤード,にしても,繋がることを止めることは,死,を意味する。

 米国で続いている分散型サービス拒否攻撃の被害がさらに広がっている。新たに米国MSN米国Eトレード米国ZDNetの被害が報告された。特にZDNetでは,9日の早朝,2時間にわたってサービスがダウンした。FBIは,本格的に捜査を開始し,法執行当局は被害に遭ったサイトのログの収集と解析にあたっている。株式市場では,電子商取引に悲観的な見方が広がり,一部ハイテク株の売りに繋がっている。

 昨日の続き。実際,この攻撃を完全にせき止める術はない。もし,せき止める術があるとしたら,それは繋がることを_断ち切ること_ぐらいだ。攻撃のツールはウェブ上で簡単に入手することができる,そのツールも日々,進化している。大手サイトは怠慢だったという意見もあるが(ZDNet Newsの記事),ツールは,パケットの種類を偽ることを覚え,フィルタをかいくぐる術を学んでいくだろう。繋がっているかぎり,壁は常に崩される宿命を帯びている。

 繋がることで成り立っているワイヤードという存在は,病をその誕生のときから抱えるていると云っていい。あなたも,感じているかもしれない。ワイヤードにいるときの,あの重たい皮膚感覚,あの痛い精神への汚濁,あの沈み込むような脳の変調。それは,人同士が繋がろうとするときに生まれる,懸念と似通う。生き続けるかぎり,繋がり続けるかぎり,その病から逃れることはできない。逃れる術は,死をおいて他にない。



 
[2000.02.10]
  死に至る病,そして


 ▼人気サイトが次々と標的に―米で続く「サービス拒否」攻撃(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/09/dos.html


 パケットをせき止めるフィルタ,それは,人が繋がりをかき消すための「心の壁」と同義だ。しかし,それでも人は繋がりを求める。その心が,フィルタを超える新たなパケットへと進化させる。ここでは,ITの話ではなく,心理学,として,その様を見つめよう。

 7日午前10時半に,米国ヤフーが分散型サービス拒否攻撃を受け,3時間にわたって断続的にサービスが停止した。翌日,大手電子小売りサイトのバイ・コムが同様の攻撃を受け,その5時間半後には,大手オークションサイトのイーベイも攻撃を受け,他と同様,ユーザーからのアクセスに支障をきたした。夜7時を回って,ニュースサイトのCNNも攻撃を受けた。分散型サービス拒否攻撃とは,たくさんのサーバーから同時にパケットを送り,通常のアクセスを受け付けないようにしてしまう。

 この分散型サービス拒否攻撃は昨年の9月ごろから,徐々に報告があった(ZDNet Newsの記事)。ポートスキャンによってセキュリティーホールのあるサーバーを見つけ出し,そこに入り込み,攻撃用のソフトをインストール。その後細かいやり取りがいろいろあるが,時限で同時にひとつのサーバーに対してパケットを送る攻撃を加える。それが複数台から同時に行われるため,ここからのアクセスは受け付けない,と簡単に攻撃を遮断することができない。複雑に,且つ,簡潔に,繋がりし者の弱点が見える。

 繋がるということは,ひとつの病ではないかという考えがある。自らの欠如を埋めようと,人は繋がりを求める。だが,自分以外のなにかが,その欠落した部分を補うというのは幻想に過ぎない。止めどないせめぎ合いに結局は渇きしか得られぬ男と女,制度という枠の中で形式と騙しあいに過ぎぬことを心の中では悟っている親と子。それでも,繋がることを求める人間がいるように,分散型サービス拒否攻撃も,防ぐ術を,持たない,永遠に。



 
[2000.02.09]
  研究所の扉の外


 ▼IBMが世界最速チップを発表予定(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000208-7.html


 ギガヘルツ・チップが,今,研究所の外に出ようとしている。今までは,研究室の実験台の上にしか存在しえなかったものが,今,その扉を開けようとしている。そこに差す光は…。

 IBM社の研究者たちは,開催されているISSCC会議(国際固体回路会議)で,現在最速のペンティアム3チップよりも最大で5倍速い,3.3〜4.5GHzで動作するチップを発表する。このチップは,1つになっているクロックを複数に分散させ,これにより,回路の高速部分がより速いサイクルで動作でき,同時に,消費電力も大幅に削減できる。

 ISSCC会議に合わせて,チップ動作速度レースが新しい展開を見せている。インテル社が,ペンティアム3の1GHzのデモを行なえば,AMD社は,アスロンの1.1GHHzのデモを行なった。またIBM社も,1GHzの特別仕様パワーPCを出す予定だ。モトローラ社も,およそペンティアム3の1GHzと同等の性能となるパワーPC G4の780MHzを発表するようだ(WIRED NEWSの記事)。だが,これにはちょっとした疑問もあって,モトローラは現在,アップルに供給しているG4に手を焼いている(MacWIRE ONLINEのサイト定点観測)。となるともう一方のパワーPCの供給元,IBMへの希望と期待が入り交じる。そのIBMの,口あんぐりになる発表が,3〜4GHzを手の届く未来に現実とする『Interlocked Pipelined CMOS』だ。現在の設計図では限界が見えてきている現状で,まず設計図を破り捨てることから始めるのは勇気がいることだ。それを行なった研究者に,敬意を表したい。

 まるで,始めて扉の外へと出なければいけない小猫のように,不安を抱えて,ギガヘルツ・チップは日の目を見ようとしている。外に出て,失敗をすれば,自分の死を意味する。だが,みんながそれを待っている。掌の上の1GHzを,明日の世界を変えるInterlocked Pipelined CMOSを。今,研究所の外は,期待の光に包まれている。



 
[2000.02.08]
  ロボット様様〜


 ▼自動ロボットが南極で隕石を発見(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3690.html


 人間が行くことができないところに,行くことができるロボットがいる。そこでは,人間の力はなんの役にも立たない。ロボット様様,ははぁ〜,と頭を下げなくっちゃいけない。

 ロボットによる南極隕石探査プログラムは,4輪ロボット「ノマド」によって,2週間近くをかけて,100を超える岩石を調べ,最終的に7つを本物の隕石だと判定した。今回の任務を見事にこなしたことにより,ノマドは今後,惑星探査車両への応用が期待されている。ノマドは,自ら分析し,そこから学習していくことができる,知性を持ったロボットだ。

 ロボット閑話休題。日本のある原発で事故が起きた。機械が故障し,直さなければ放射能漏れなどの事態になりかねない。だが,その故障した機械がある場所は人間が入り込むと数秒で命を落とす区域だ。そこに,ロボット登場。遠隔操作でロボットを操作し,修理を行なおうというのだ。さっそく実行。作業をこなし,あと少しで修理が完了する,となったときに,ロボットが動かなくなった。修理ロボットが故障したのだ。だがそこは常に危険に備えている原発。修理ロボットが故障した場合に,修理ロボットを修理するロボットがある。さっそく,修理ロボットを修理するロボットが出発。だが,その修理ロボットを修理するロボットが作業しているときに,修理ロボットを修理するロボットも故障してしまった。だが,大丈夫。修理ロボットを修理するロボットが故障した場合に備えて,修理ロボットを修理するロボットを修理するロボットもちゃんといる。さっそく…

 なかなか笑えない笑い話だが(^_^;),ロボットには人間ができないことをするという使命もある。お手伝いロボットだけがロボットじゃない。ノマド君はなかなか高い評価を受けているようで(その姿はすんごいカッコイイ!),ぜひ,遠い惑星へと旅立って探査をして欲しいものだ。なんて思っていると途中で人間に反旗を翻して,自らの新しい生き甲斐を見つけに旅立ってしまうようなロボットを想像してしまうのは,SFの読み過ぎかな(^_^?)。



 
[2000.02.06]
  プレステ2不要論最終章


 ▼【詳報】プレイステーション・ドットコム・ジャパン…(ASCII24)
  http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/2000/0203/mrkt04.html


 1ヶ月後,プレステ2,買いますか? 採点してみましょう。ゲーム機としての機能は? DVDビデオプレイヤーとしての機能は? ネットワークデバイスとしての機能は? さて,本当に買うほどの得点は付いた?

 ソニー・コンピュータエンタテインメント社は3日,2月1日付けで設立したプレイステーション・ドットコム・ジャパンが,大手ゲーム会社7社と,セブン・イレブン・ジャパン,「ツタヤ」のカルチュア・コンビニエンス・クラブデジキューブなどの流通会社と,業務提携することを発表した。プレイステーション・ドットコムでは,プレイステーション2と各ゲーム会社のソフトなどを直接販売し,流通会社が受け取り場所を担当する。プレイステーション・ドットコムの直販により,現在の小売店との関係を維持するかどうかが取り沙汰されている。

 そう,お間違いないように。プレイステーション・ドットコムでプレステ2を買うことはできるが,プレステ2でプレイステーション・ドットコムにアクセスすることはできない。結論から言えば,今のソニーには,広く普及するインターネット端末を作る能力はない,ということ。いや,できるかもしれないが,やらない,やる気もない,が正解かな。もし,ソニーが本当にプレステ2をゲーム機以上のものに昇華させたいのなら,プレステ2の発売をあと半年延ばし,ネットワーク機能を完全装備し,プレステ2を切り札に日本の通信インフラを改革する。ユーザーは,プレステ2を買ってきたその日にプレイステーション・ドットコムに接続できるようにし,セブン・イレブンやツタヤのより多くの商品を提供する。ヤマト運輸などの運送業者も取り込んで,すべての直販体制と整える。これが作れれば,それに敵うECサイトは日本には当分現れないだろう。ソニーはみすみす,その将来図を排して,予定調和のつまらないマシン作りにいそしもうとしている。

 今,この時代に作るゲーム機として,ネットワークデバイスとしての機能を前面に出せない(将来の拡張は可能だが,デフォルトでは存在しない)ゲーム機を出すなど愚の骨頂だ。DVDビデオという聞こえのよさも,どうやらまともなDVDプレイヤーを買ったほうがよいようだし…(BART最新号「PlayStation 2「34の謎」を追え!」)。それでもあなたは,プレステ2,買いますか?



 
[2000.02.05]
  大勢の利用者,大勢の監視者


 ▼AOLから漏れた「AOL 6.0」情報(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/04/aol.html


 どんなソフトにも,どんな会社にも,穴,や,バグ,はある。問題は,それに気付く人がいるかどうか。大勢の利用者・顧客は,大勢の監視者・批判者となりえる 。その点で云えば,MSもAOLも,ひどく辛い立場ではある。

 AOL社が8月に公開予定のクライアントソフトのスクリーンショットが,15歳のケントと名乗る少年のウェブサイトに公開された。AOLでは「容認できない」と法的手段も辞さない構えだが,このスクリーンショットを取得したと主張している少年は,以前AOLで仕事をしていたときに入手したツールで,社内ウェブサイトにアクセスしたようだ。AOLは,その仕事を辞めたときにツールの処分については伝達しなかったという。

 ちなみに,今そのスクリーンショットは,ここここここ;-Pでミラーされている。に,しても,なんとも単純な情報の漏れ場所だ。AOLを,無責任・いい加減・フシアナと罵ることは簡単だが,どこの会社とておんなじようなものだろう。そこまで気が回りませんよ,という感じだろう。

 昨日,ZDNet Newsに読者から,大衆相手のOSを作らなければいけないMSに,ビジネスユーザー限定のOSと同じセキュリティーを要求するのは酷だという読者からの意見が載っていた。マックOSにセキュリティーホールが報告されないように感じるのは,ウィンドウズとのユーザー数に差があるだけだという意見もある。そう簡単にとるかどうかは,意見が分かれるところだろう。まっ,わからない意見じゃない,けどね。



 
[2000.02.04]
  クッキーモンスター君にさよなら


 ▼ダブルクリック社の情報追跡に反対運動(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3672.html


 一度「クッキーを受け付ける前に警告する(ダイアログを表示する)」という設定でネットサーフィンしてみると,わかる。いたるところでクッキーを食べさせられて,商売のネタにされていたことが。自分が,それにまったく気付かずにいたことが。

 ウェブ広告大手のダブルクリック社による,ユーザーのウェブ訪問記録と,個人情報との関連づけを開始するという計画が,プライバシー保護団体から批判を受けている。ダブルクリック社は,事前に警告し,追跡禁止オプションが選択可能であるとしているが,反対する者たちは分かりにくく不十分だとしている。

 ウェブ上のニュースサイトを見て回っていると,ダブルクリック社のバナーを目にすることは頻繁だ。今回の記事元でもあるHotWired Japanもそうだし,CNET Japanもそうだったりする。WIRED NEWSの,ダブルクリック社の追跡計画を取り上げた今回の記事は,ロイターの記事を伝える形でつっこみがないし,CNET Japanでは,英文ではあった記事を翻訳せずに過ごしている。なにか意図があるとは思いたくないけどねぇ;-P。

 クッキーは,簡単に云えばサイト訪問者に識別番号を付けることができる。だからその人から,メールアドレスなどの個人情報をなんとかして取得できれば,その人の動向を観察することもできることになる。適当なことを云う人は,ショッピングサイトなどで便利になりますよと云うが,ここでは余計なことは云わない。今すぐセキュリティレベルのカスタマイズからクッキーの受け付けを最小限にする設定になさい。それであなたが損することはなにもな〜んもないから。



 
[2000.02.03]
  シンデレラ・ラムズ・ストーリーの陰で


 ▼スーパーボウルのCM合戦,ドットコム企業に厳しい評価(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/02/superbowl.html


 シンデレラ・ラムズ城に舞い降りた,ひげ面の救世主・ワーナーと魔法のワーナーブラザーズ。その骨太な男たちに,薄っぺらなドットコム企業は似合わなかったようで…。ドットコム企業CM不振の原因は,そこかな?

 1月30日に放送されたアメリカンフットボール・NFLのスーパーボール中継で,およそ半分のCM放送をドットコム企業が買い占めた。その効果で,放送後24時間の,各社の帯域幅利用は2倍にもなったが,人気投票によるとそれほどの効果は得られなかったようだ。

 全米で6割の視聴率を集めるモンスターイベント・スーパーボールは,セントルイス・ラムズの勝利に終わった。前年地区最下位からの優勝というシンデレラ・ストーリーに加えて,クォーターバックのカート・ワーナーという男に注目が集まった。無名校の出身で,ずっとアリーナフットボールなどの下位リーグに在籍,一時期は深夜のスーパーマーケットで時給5ドル50セントのアルバイトまでしてフットボールを続けてきた。結婚した奥さんには脳障害を持つ子供がおり,その奥さんの両親を竜巻の被害で失うという不幸もあった。寡黙でひげ面なそんな男がMVPに輝いたスーパーボールだから,全米の熱狂も一塩だ。決してエリートではない男の,どこか武骨なヒーロー・ストーリーという印象も感じられる。

 そのワーナーから縦横無尽に投げられるパスを受けるレシーバーたちは,「魔法のワーナーブラザーズ」と称された。ステキな,ステキな,シンデレラ・ラムズ・ストーリーに終わったスーパーボールだったが,ドットコム企業はその魔法を受けることはできなかったようだ。もともと理念が薄く,文化を作る土台も浅いドットコム企業。その薄っぺらさは,時には強さにもなりえるが…。ともかく,ドットコム企業にはあまりそぐわないストーリー展開だったかもな。



 
[2000.02.02]
  新しい,社会的な繋がるフィールド


 ▼AOLもグループ購入サービス開始予定。電子商取引の主流になるか(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0002/01/aol.html


 駅のホームですれちがったあの女の子,どこかで会ったことある…,どこかでとっても密なやり取りをしたような…,どこかで社会的な繋がりを持ったような…。そうだ,ウェプ・オークションで,彼女の商品を買ったのが,すべての始まりだった…。

 AOL社は,商品の買い手をグループにまとめてディスカウントを受けられるようにするグループ購入サービスの開始を予定している。また,ヤフー社も今年下半期からの開始を計画している。この動きは,オークションと並ぶ新しい電子商取引のモデルとなるだろう。

 ヤフー・オークションの盛況ぶりは手に取るようにわかる。なにより,商品の数の増え方が目に付く。どんな人でも,自分が本当に欲しいものを,安く買いたい。当たり前といえば当たり前のことだが,それをもっとも簡単に実現する手段として,ウェブ上のオークションはあった。

 ウェブ・オークションに参加していて気になるのは,買い手だったら売り手,売り手だったら買い手との,非常に密な関係だ。決して出会うはずがなかった人との,ひょんな繋がり。それもお金が間にあるからいやがおうにも社会的な関係となる(住所などを知ることになるし,興味のある分野が同じであることが多い)。物の売買と云う社会的な関係の成立が,ウェブという曖昧模糊な中で築かれていく不思議さもある。おんなじ商品が欲しくって,ちょっとでも価格を下げるために手を取るグループ購入サービスも,同じような妙な「繋がり」を感じさせてくれそうだ。人は,繋がりのための,新しいフィールドを,手に入れた。



 
[2000.02.01]
  東京への忘れ物は?


 ▼Eleven(Mac the Fork)
  http://member.nifty.ne.jp/fork/


 東京への忘れ物は? ノート? iMac? OS? かけがえのない忘れ物が,やってきて,くれるかな?

 アップル社はマックOS Xにデベロッパーを引きつけるため,5月15日からのアップル世界開発者会議(WWDC)でとんでもないマシンを持ちだすようだ。それは,イレヴァンと呼ばれる次世代G4を2〜4個積んだマルチプロセッサー・マシン。2月16日からのマックワールドエキスポ/東京では,新しいパワーブック「ピズモ」が発表となりそうだ。その他,マックOS9のバージョンアップ版の発表も行われる。

 1秒間に10億回の浮動小数点演算をこなすG4を複数個積む,スーパースーパーなマシンもわくわくするが,とりあえずは東京でのエキスポだ。昨年はなにも新しい発表がなくて拍子抜けさせたスティーブ・ジョブズの基調講演だったが,今年は,なにかをしてくれる期待が高まっている。待ちかまえるものはいっぱいある。今や遅しと待ちわびたパワーブック,クロックやモニタサイズなどをバージョンアップしたiMacにiBook,使えるシャーロックが目を見張るマックOS9.1,さらにクイックタイム4.1J,マックOS XJもあるだろう。どれが出てきてもおかしくない。CEOの手の内にあるカードは,なにか?

 「そうそう,忘れるところだった。もうひとつ,発表することがある…」。いつもの口ぶりでの,とっておきの発表。心待ちにしてあと幾日を数え待とう。




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